2011年09月19日

ランニング雑誌に思う

前回のブログに「久しぶりにランナーズを買ってみるかな」と書いたが、月刊誌の「ランナーズ」を買わなくなり10年ほど経つと記憶している。

最近のランニングブームを反映して、書店のスポーツ雑誌コーナには様々なランニング雑誌が並べられている事も珍しくないが、自分が走り始めた1986年頃はランニング雑誌と言えば月刊誌の「ランナーズ」と「City Runner」のみだった。

P9190013.JPG

当時は今の様にインターネットが普及しておらず、両誌の巻末に掲載されている全国の大会開催情報一覧が、レース参加申し込みの契機となる唯一の手段。
昼休みに社内のランニング仲間が集まり、雑誌を見ながら次に参加する大会を決めていたのもこの頃。
ランニングに関する情報に飢えていたので、両誌が発売される毎月22日が待ち遠しかった。

その後、2000年に「City Runner」が突然廃刊になり暫くは「ランナーズ」のみの期間が続いていた筈だが、その後ランニングブームが到来し様々なランニング雑誌が書店に並ぶことになる。

走り始めて最初の10数年でランニング関連の雑誌、トレーニング本は読み尽してしまった感があるが、もし、インターネットが普及していなければ、今でも「ランナーズ」の購読者を継続し毎月の大会情報を楽しみにしていたと思う。

上の写真は、手前から
@City Runner 1987年3月号
  ・24年前、自分が走りだして間もない頃の発売
Aシティランナー1984年10月号
  ・表紙が、City Runnerでなくシティランナー
Bランナーズ2000年3月号

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2010年12月19日

小説 チーム

著者:堂場瞬一

2週間前に投稿した駅伝観戦の記事に、チーム全員の思いが1本の襷に託され繋がれていくのが駅伝の魅力と言ったコメントを頂いたが、偶然その様なテーマにピッタリの小説を文庫本の新刊で読む。

1月2、3日に開催される箱根駅伝には関東の19の大学に出場権が与えられるが、更に予選会で敗退した大学の中から成績優秀な選手で編成された関東学連選抜チームが1チーム加わる。

母校の襷をかけて箱根を走る事を目標にチームで苦しい練習を積んで来るも、予選会で敗れ惜しくも出場を果たせなかった各校の選手が集まり急遽編成される学連選抜チーム。
ユニフォームも違えば一緒に練習もした事のない選手が、メンバーが発表されてから1ヶ月余りの大会までにチームとしてまとまり「襷のおもみ」を胸に刻む事が出来るかがこの小説のテーマになっている。
後半の箱根駅伝本番の場面では沿道の大観衆の声援を受けながら走る選手の心理も描かれて、リアルさを感じる作品になっている。

関東学生陸上競技連盟では学連選抜チームの廃止について協議が行われているとの事だが、半月後に開催される箱根駅伝は学連選抜チームのレース展開にも興味を持ってのテレビ観戦になりそうだ。


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2007年10月31日

走ることについて語るときに僕の語ること

作家の村上春樹が、自分自身のランニング生活を書き下ろした本の題名。
書店の新刊コーナでこんなタイトルの本が目に止まり、暫く立ち読みし購入した。

市民ランナーの著書で発行される本は、走って日本一周達成とかシルロードをランで踏破と言った様な、一般の市民ランナーでは為し得ない快挙を題材にした体験記が多いが、村上春樹はごく普通の市民ランナー。
忙しい作家活動の傍らで「走ること」を生活の一部に取り込みランを楽しんでいる。
大会では自己記録に挑戦しながらも、走ることにストイックにはならず、自分の姿を自然の光景の一部に感じる様な走りを続けている。

この本はそんな著者の日常ランを淡々と綴ったエッセイだが、一市民ランナーとして共感するものが有り、肩の力を抜き読む事が出来た。

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2007年06月30日

小説 標なき道

著者:堂場瞬一

マラソンを題材にした小説は数少ないが、先日、書店でたまたま手にした文庫本がマラソンランナーを主人公にした「標(しるべ)なき道」。

この物語のプロローグは、残された一枚のオリンピック出場権をかけた代表選考レースのスタート地点となる国立競技場から始まる。スタート直前の緊張感が静かに漂うフィールド、主人公の心境と彼のライバル二人の選手の様子が描かれている。

その後、場面はオリンピック代表選考レースから数ヶ月遡り、ランナーの聖地ボルダーに移る。
このボルダーでの合宿から数ヶ月間、主人公は、オリンピック出場に執念を燃やすライバル二人と執拗にドーピングを勧めてくる謎の人物との関係、揺れ動く自分の実力、と言った葛藤の中での練習を余儀なくされる。

そして後半、場面は再び代表選考レースに戻る
競技場.JPG代表選考レースは東京オリンピックと同じコース、国立競技場をスタート・ゴール地点にして調布で折り返す42.195キロで行われる。
レースのスタートから、主人公の視線で、選手同士の駆け引きや心の動きが手にとる様に解る様にリアルに描写され臨場感が伝わって来る。

物語の結末はもちろんここに書かないが、マラソンを中心に据えたドラマを見ている様な気分にさせてくれるランナーにはお薦めの小説。

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2006年12月03日

ランナーズブックK:ランニングの世界<楽しく走る>

編者:山西哲郎

前回のランナーズブックで紹介した灰谷健次郎さんがお師匠さんと呼んでいた山西哲郎さん編集の本。
昨年発行された「ランニングの世界」の創刊号で<楽しく走る>をテーマに、ウルトラランナー・元実業団選手・スポーツ科学者・スポーツライター等いろんな方が執筆されている。

その中で興味を惹かれたのが、マラソン完走者と県民性との関連を紹介した記事。作者がマラソン完走者数を県別に調べたところ、ダントツ1位は沖縄県で、東京・神奈川といった人口の多い地域を大きく引き離している。これは、沖縄の県民性「陽気でおおらか」に関係している様で、「隣のオジーが走るんだったら俺もエントリーするか」と言った調子で、沖縄の仲間づくりの文化がフルマラソン参加者数の多さにも表れていると推測されている。

私もNAHAマラソンに参加した事があるが、その盛り上がりを見ればなるほどとうなずける。とにかくNAHAマラソンでは、5時間以内でゴールする人よりそれ以降で完走するランナーの方が多いらしい。それだけ楽しみながら走っている人が多いと言える。

この本を読むとランニングには多種多様な楽しみ方が有るのが今更ながら解る。記録を楽しむのも良し、ゆっくり走るのを楽しむのも良し、自然を満喫するも良し、その時々に応じて自分に合った楽しみ方を続けて行きたい。


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2006年11月25日

ランナーズブックJ:遅れてきたランナー

著者:灰谷健次郎

この本の著者灰谷健次郎さんが2日前の11月23日に亡くなられた。その記事が全国紙の新聞に大きく取り上げられているのを見て、社会的に注目されていた作家だった事をあらためて知った。
灰谷さんは児童文学を執筆する傍ら、公演等で教育問題に対する社会的な活動も進められていた。1980年から淡路島で自給自足の農耕生活を営み、その後渡嘉敷島に移り漁をして暮らしを続けられていた。

この本の題名「遅れてきたランナー」は灰谷さん自身の事で、49歳になって走る楽しさに目覚めた体験談が書かれている。
灰谷さんが淡路島で生活していた頃に、あるキッカケで群馬大学の山西哲郎さんから走ることを勧められる。その後、山西さんから自然流マラソンのアドバイスを受けるが、最初の内はどうしても「頑張り、苦しむ走り」になってしまう。しかし、山西さん、フォークシンガーの高石ともやさんと親交を深めていくに従い、「心と体が対話する」楽しい走りを覚えランニングの虜になる。
そんな著者の走る事への思い入れが綴られている。
また、本書の後半は、灰谷さん、山西さん、高石さんの自然流走りに関する座談と、灰谷さん流の食生活と住まいに関する理論で構成されている。

余談だが、先週末まる高のメンバーと飲んでいた時に、隣のテーブルで山西哲郎さんを見かける。山西さんが帰られる際に我々に一声かけて頂いた。
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2006年11月18日

ランナーズブックI:マラソントレーニング

マラソントレーニングと言っても技術的な解説書ではなく、君原健二から高橋尚子、野口みずきまで歴代のマラソンランナー14名を一挙に紹介した特集と言った色合いが濃い。
それぞれのランナーが取り入れたトレーニング方法を説明しながら、試合のエピソード等も織り交ぜて書かれている。

紹介されているどのランナーも好きだが、昭和30年生まれの私にとっては白黒テレビで見た君原健二選手が一番興味を引く。首を少し傾けた独特のランニングフォームは、今も印象に残っている。君原選手は、1964年東京、68年メキシコ、72年ミュンヘンと3度のオリンピックに出場し、メキシコでは銀メダルを獲得し10年近く活躍している。

この本を読んでいて気付いた事がある。男子ランナーだが、十数年前まではどの時代にも絶対的に強いランナーがいて、数年間は幾度かの大会で上位の成績を収める時代が続いた。しかし、最近はそう言ったランナーがいない様に思う。一度は優勝し注目されるのだが、その後が続かずに、いつのまにか現役を引退してしまうランナーが多い様に思う。

強い選手が数年間活躍した時代と何が違うのか考えてみた。
素人考えだが、やはり故障のせいだと思う。今の実業団選手は故障し易く、その為に継続して活躍する事が出来ないのではないだろうか。
最近の駅伝ブームで、高校、大学時代に距離を踏みすぎてしまい、骨や筋が無理をしてしまう。そう言った事が、実業団に入ってから関係あるのかな。


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2006年11月04日

ランナーズブックH:ガイコツが走った!

著者:舟橋武志

ガイコツとは、著者が小学校の頃に痩せていた為に付けられたあだ名。その著者がそのまま中年になり、痩せた体に腹ばかり出た体型に、それが気になりだし一念発起してジムに通い出す。
そのうちに知人に誘われランニングの世界にのめり込んでしまうことになるが、参加する大会ではいつも七転八倒苦しんだ末のゴール。それでも懲りずにフルマラソン、富士登山競走、デュアスロンと挑戦しては、反省会と銘打っての友人と飲み会の繰り返し。
そんな著者のランニング体験記、理屈抜きにして楽しめる抱腹絶倒の一冊。

著者の舟橋氏は、現在は名古屋市で東海地方の郷土史本専門店「My Town」を経営し店長を務める。
私の故郷が三重県、カミさんの故郷が岐阜県、そして名古屋に10年程勤務したこともあり、「My Town」のHPで紹介される郷土関連の本には興味が有り、よくアクセスしている。

さて、この本が出版されたのが13年程前、著者の舟橋氏は当時50歳前後と思う。と言うことは、現在は60歳代の筈。
その後もマラソンを続けていられるのかなと思い「My Town」HP上の著者のブログを読んでみると、何と今年7月の「夜叉ケ池伝説マラニック」135キロを見事に完走されているから驚き。
この本のあとがきに、著者の言葉で
    「大会関係者やボランティアの方々のご苦労を思うと、
     いつも心して走らなけらば・・・・と思う。
     走る幸せに、いまは素直に感謝したい」
と書かれているが、この様な思いを持って走る事が、60歳を過ぎてもランニングを楽しめる秘訣かなと思う。


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2006年10月21日

ランナーズブックG:長距離・マラソン・駅伝 技術と練習法

著者:有吉正博

市民ランナーでも、競技志向の人にはぴったりのトレーニング本。
科学的なデータを織り交ぜながら様々な練習方法が説明されているが、素人にも解り易く解説されている上に、興味が惹かれる様な話題が盛り込まれている。また、目次が上手く構成されていて、目次を見ただけで練習方法のイメージが湧いてくる様になっている。
私が一途に記録を狙っていた頃、何度も読み返しお世話になった本だ。

余談だが、表紙の写真を見て駅伝ファンの方なら、向かって右端を走っている選手が現・駒澤大学陸上競技部の「大八木弘明」監督なのに気付かれたと思う。
これは第62回箱根駅伝2区の先頭争いの一コマだが、大八木選手がこの区間の戦いを征し区間賞を獲っている。この時の大八木選手はすでに27歳だった。

この辺りの経緯について別の本の内容を借りて紹介すると、
福島県の会津工業高校を卒業した大八木選手は小森精機(現・小森コーポレーション)に就職する。就職当時は無名の選手だったが、順調に力をつけ実業団駅伝で活躍するまでの選手になる。しかし、箱根駅伝を走る夢を捨てきれずに小森精機を退職。
その後、川崎市役所に勤め陸上競技を続け、働きながら走れる大学を探す。そして24歳で駒澤大学の夜間部に入学し、昼間は働きながら夜間部の学生として競技生活を続け、念願の箱根駅伝の出場を果たす。
写真の第62回大会は、そんな大八木選手の箱根駅伝最後の舞台になる。


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2006年10月15日

ランナーズブックF:日本史を走れ!

著者:松尾秀助

「日本人は走民族だった」というコンセプトのもとに、著者が歴史の舞台に登場した日本の街道を当時の武将、足軽や藩士の気持ちになり走ったウルトラマラソン記。
著者が走ったのは全国12の街道。豊臣秀吉の「中国大返し」で知られる備中高松城から山崎天王山までの220キロに始まり、「本能寺の変の折に徳川家康が逃避行をした伊賀越え」や「幕末時代に坂本竜馬が脱藩した道」など史実ではよく知られる街道ばかり。

もちろん、街道の様相は当時と変わってしまっている為に全く同じ道を辿るのは難しい。それでも随所に当時の面影が残る景観や史跡は残っている様で、著者が歴史の主人公の心境になって走る。
訪れた土地の人とのほのぼのとした触れ合いも描れていて、気楽に読める本。

著者の様な街道巡りは出来ないが、最近私もマラニックに出掛ける様になった。マラニックは小さな旅の趣があり、普段は気付かずに通り過ぎてしまう小さな史跡にふと足を止め、案内板に書かれた由来を読み当時に思い馳せるのは楽しい。

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2006年10月08日

ランナーズブックE:早すぎたランナー

著者:増田晶文
「第7回小学館ノンフィクション大賞受賞作」

“孤高のランナー”“マラソンに憑かれた男”“国内最速の男”と色んな名で呼ばれた「早田俊幸選手」を描いたノンフィクション。

早田選手は1987年に鐘紡に入社し実業団選手として活躍する。5,000M、10,000M、ハーフマラソンでは、他の追従を許さない俊足の持ち主として名を馳せる。特に駅伝では、襷を受け取ると一気に加速し、先行する選手を狙い落とし必ずトップになることから「ハンター」の異名を持った。

そんな、早田選手がフルマラソンに挑戦していったのは自然の成行きとも言える。初フルマラソンの舞台は1991年の東京国際マラソン、結果は3位だったが、初マラソンの記録では国内二番目のレコードになり、初陣としては立派なものであった。
しかし、ここから彼の苦悩と迷走が始まる。「早すぎたランナー」はスピードランナー故に、フルマラソンのペースにはまると必ず35キロ以降に自滅してしまうレースを何度も繰り返す。
アトランタ、シドニーオリンピックの出場権をかけた大会にも挑むが、期待されながらも結果は惨敗。

この作品では、早田選手がフルマラソンでの勝利に執着し苦悩しながら、実業団チームを渡り歩く姿が克明に綴られており、読み進むうちに感情が移入してしまう。

2001年に刊行された作品なので、まだ実業団(本田技研)に所属している時代で話しは終っている。その後は、第一線から退いたもののクラブチームで活躍されている様だ。



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2006年10月01日

ランナーズブックD:強奪 箱根駅伝

著者:安東能明

少し衝撃的なタイトルだがもちろんフィクション。しかし物語には実在する大学、テレビ局が登場し、表現も詳細でリアル感があるサスペンス。

物語は12月30日の神奈川大学陸上部のグランウド、箱根駅伝出場選手の最終選考の場面から始まる。選手の走る鼓動が伝わって来る描写に物語に引き込まれてしまう。
この後、同大学の女子マネージャが誘拐されると言う事件が発生し、本格的な展開となる。

誘拐犯人は、1月2日の箱根駅伝テレビ生放送を電波ジャックし、日本テレビ調整室の総合プロデューサーに対して、神奈川大学のある選手を出場させない事を要求して来るが、犯人の目的は解らない。そのまま箱根駅伝が大手町をスタートし各大学の選手は箱根路を目指す。その後は、電波ジャックの実行犯人(誘拐犯人)と、中継放送を死守しよとする総合プロデューサとの息詰まる攻防が3日の復路最終区の手前まで続く。

この間のストーリーと結末を書くのは控えますが、全編に亘り、箱根駅伝テレビ生放送の舞台裏が非常に詳しく描かれ、臨場感に驚いてしまう。また、選手や監督の緊張感も伝わって来て駅伝ファンにはたまらない作品。

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2006年09月24日

ランナーズブックC:永遠のランナー瀬古利彦

著者:瀬古利彦 小田桐誠

ランナーズブックBで紹介した中村監督の愛弟子「瀬古選手(現日本陸連理事)」が、選手時代を振り返り綴った著書。

瀬古選手は、高校時代から中距離ランナーとして注目され、1年浪人ののち早大に進学し中村監督と出会う。その後の選手生活では、フルマラソンに15回出場し、優勝10回の金字塔を打ち立てている。
順風満帆の様な選手生活だが、これ程の実力が有りながらオリンピックの成績は、ロサンゼルスオリンピック14位、モスクワオリンピックはボイコット、ソウルオリンピックは9位と言う様に、入賞する事もなく終わっている。
勝負にタラレバは無いが、もし日本がモスクワオリンピック出場をボイコットしていなければ、当時全盛期にあった瀬古選手が金メダルを獲得した確率は高かったと思う。

この本は、瀬古選手がエスビー食品の監督に就任し間もない時期に発刊されており、内容も選手時代の中村監督との出会いとエピソード、故障を抱えながらの様々な試練について、胸の内を明かす様に書かれている。

最近ではマラソンや駅伝のTV解説を努める瀬古監督、たまに失言も有るが表裏の無い性格の一端だと思う。
今後は陸連理事として、陸上競技の普及と発展に尽力されるだろう。


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2006年09月18日

ランナーズブックB:伴走者

サブタイトル:陸上に賭けて散った、中村清の苛烈な生涯
著者:木村幸治

「中村清」氏と言えば瀬古選手(今は日本陸連理事)の監督だと思い当る人は多いと思う。中村監督と瀬古選手の一心同体とも言える師弟関係は、瀬古選手が早稲田大学に入学してから、中村監督が新潟県魚野川で釣りの最中に亡くなる迄の約10年間続いた。この本はそんな中村監督の少年時代から亡くなるまでの一生を描いたノンフィクション。

中村監督の少年時代は、家庭の事情で中学生の頃から貧困を強いられるが、恩師や周囲の支援を受けながら陸上競技に打ち込む。中学時代に神宮外苑競技場(今の国立競技場が在る場所)で開催された「全国中学校陸上選手権大会」に京城(現在のソウル)から遠征し、中距離で優勝を果たしている。
その後も陸上競技を続けるが、戦争が始まると憲兵として中国に赴任する事になる。憲兵時代の中村監督には、射撃の名手としての研ぎ澄まされた鋭さと、部下への温情あふれる上官としてのエピソードが幾つか有り、後の中村監督の勝負師としての鋭さと暖かさ彷彿させる。

戦後は商いを行いながら、早大競走部の監督として選手を育てる。箱根駅伝での、伴走車のサイドカーに乗る中村監督から選手への叱咤激励にも逸話は多い。
昭和39年に開催された東京オリンピックでは日本陸上競技選手団の責任者となるが、陸上競技陣は思う様な成績が残せず、そのまま陸上界からは身を引いた様な時代が続く。
昭和51年、そんな中村監督に「神様が私の人生の晩年にくれた最大のプレゼント」と言わしめた瀬古選手との出会いが有り、そこから二人の一心同体の師弟関係が始まる。

この後の二人のエピソードは良く知られているが、それ以前の中村監督の強烈な半生を綴った部分に惹かれる書である。


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2006年09月09日

ランナーズブックA:鬼太鼓座アメリカを走る

サブタイトル:1万5千キロの旅日記
著者:井上良平

前回紹介した「遥かなるセントラルパーク」は米国大陸横断だが、今回紹介する「鬼太鼓座アメリカを走る」は、鬼太鼓座メンバーの著者が、走りながら全米を一周した演奏ツアーの記録。

鬼太鼓座は佐渡島において設立された和太鼓集団で、メンバーたちは毎朝10〜20キロのマラソンを行い、そして太鼓を打つと言った練習を行っているとの事。

そんな鬼太鼓座のメンバー14人が、1990年ニューヨークマラソンのスタートに立っていた。目指すゴールは3年後、1993年のニューヨークマラソンのゴール。
彼等は各地で和太鼓の公演を行いながら、全米を一周する旅にスタートするのだが、移動は全てランニング。

小学校の校庭、体育館、教会、劇場と、ありとあらゆる場所で和太鼓を公演し、地元の人々と交流を行いながら旅を進めて行くメンバー達。

また、ランニングも全米一周の線を少しでも途切れさせない事にこだわる。
バージニア州ジェイムス川に架かる8キロの橋は人が通ってはいけない。しかし、線を途切れさせたくない彼等は無謀にも突っ走るが、メンバーの一部が橋の途中で警察に見つかり、あえなくパトカーに収容されてしまう。
それでもこだわり続ける彼等は、その日の夜、パトカーに収容された橋の途中まで車で戻り、そこから闇夜に紛れて走りだし、橋を渡り終えると言ったエピソードも有る。

そんな苦労を重ねながらも、目標通り1993年ニューヨークマラソンのスタートに再び立った彼等は、セントラルパークのゴールに到着すると、そのまま舞台に上がり、この旅最後の和太鼓を披露する。

この本を紹介するのにCDで「鬼太鼓座」の演奏を初めて聞いたが、さすがに和太鼓の響きは、我が家のポータブルCDプレイヤーでも空気を振るわせる程の迫力だった。



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2006年09月03日

ランナーズブック@:遥かなるセントラルパーク

我が家の本棚の片隅にランニング関連の本が並んでいる。暇があると、たまに手に取って読み返したりしているのだが、カミさんからは「読んでしまった本を並べていても意味ないから、古本屋に持っていったら」と折に触れて言われ続け、肩身の狭い思いをしている本達だ。

そんな訳で、この我が家のランニング関連の本の中から何冊かをこのブログで紹介する事にしました。

先ず1冊目は「遥かなるセントラルパーク」。
サブタイトル:米大陸横断ウルトラマラソン
著者:トム・マクナブ 飯島宏(訳)

フィクションだが、1928年に実際に行われたアメリカ大陸横断マラソンに想を得て書かれおり、ニューヨークのセントラルパークのゴールと賞金を目指し、ロスアンジェルスをスタートしたランナー達の苦難と喜びを描いた小説である。

時代は1920年代のアメリカ、優勝者に与えられる巨額の賞金を目当てに、大陸横断レースに世界各地から様々なランナーが集まってくる。
ロスアンジェルスをスタートした彼(彼女)等が走りながら大陸を横断して行くのだが、走りの苦痛だけでは無く、過酷な自然との戦い、興行主の資金難、妨害等と言った幾多の困難に見舞われる。
それでも興行主とランナーが障害を乗り越え、目指すセントラルパークにゴールを果たすと言ったストーリーだ。

様々なランナーの背景が描かれ人間ドラマとしても仕上がっている。長編だが一気に読んでしまった記憶がある。

数年前に開催されていたトランス・アメリカ・フットレースの元祖と言ってもいいレースだ。





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